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超ドS英語教官『乙姫様』第5話「アンタの英語が通じないのはアンタが王様みたいだからよ」

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超ドS英語教官『乙姫様』第5話「アンタの英語が通じないのはアンタが王様みたいだからよ」

【これまでのあらすじ】
ひょんなことから竜宮城に来てしまった僕。なぜか僕には「ワサビの小袋3つ」を、物々交換を重ねた末、最終的には何者かの「命」と交換しなければならないという無茶な任務が課せられていた。48時間以内にそれができなければ数十年の強制労働をさせられるという異常なシチュエーションだ。しかもここはグローバル社会で公用語は英語。TOEIC350の僕には「乙姫様」と名乗るドSの英語教官があてがわれた。未だに何がなんだか全く判らなかった。

乙姫は、あんたの英語が通じないのはアンタが王様みたいにふるまうからよというと、またまた例の端末で動画を再生した。

先ほど僕が懸命にトライしている様子が映っていた。
僕が街いく人を捕まえて「わさびはいりませんか?」と話しかけたところだ。
いつもの通り、僕が真正面から映っている動画だけではなく、なぜか先ほど僕が話かけた相手も映っていた。スクリーンが半分に分かれており左に僕、右側に相手が映っていたのだ。

パッと見た印象だと相変わらず英語は下手だったが、大きな変化が見て取れた。
乙姫から教わったアイコンタクトと手を使ったしゃべり方を用いているせいか、断然、相手の反応が良い。少し前に「レストランのある場所はどこか?」と聞いてまわったときは、相手がこちらに心を向けてくれていないのがひしひしと伝わってきたが、今回は、少なくとも最初は皆集中して話を聞いてくれていた。強いアイコンタクトと大きな自信のある声で、これだけ世界が変わるのかと自分でも改めて驚いた。
ただし・・・僕が話を初めて少しすると相手の興味がなくなっていくのがわかった。

「どう?」再生を終えると乙姫が聞いてきた。

「いや、アイコンタクトや自信のある声の大切さを感じました」

「上出来ね。他には?」

「他には・・・そうですね。途中からなぜか相手の興味がなくなっていきます・・・なんというか会話の求心力が落ちる、というか・・・」

「会話の求心力、面白いこと言うじゃない。なぜそれが落ちるのかわかる?」

「いえ・・・あの、もう一度動画を見せてもらっていいですか?」

「いいわよ」というと乙姫は再度動画を再生してくれた。

僕はなぜ会話の求心力が落ちるのかを懸命に探した。
なかなか理由はわからなかった。

「どう?」

「いやー・・・なかなか見つかりませんね。・・・理由。強いて言うなら会話の求心力が落ち始めるタイミングに共通点があるような気がしました」

「あら、どんな共通点?」

「そうですね。相手に何かを聞かれたときに僕が黙り込んで考えているときがあるのですが、そのあたりから大体会話の求心力が落ちます。例えば『ワサビってどうやって食べるんだ?』『なぜおまえはワサビを交換しているんだ』とか聞かれたのですが、その答えをなんて英語で言おうかと考えているときあたりから相手の集中力みたいのが下がり始めますね」

まぁ、僕が英語を懸命に考えている間に相手の集中力が下がっていくのだ。

「そう。そこがポイントよ。アンタが黙って考えてるから悪いのよ」

「え・・・」

「アンタが黙って考えているうちに、相手はどんどん会話に興味を失うの。言ったでしょ。人は誰もが忙しいの。アンタが考えているという空白の時間が出来たら、どんどん他のことを考え始めてしまうわよ」

「ま・・・まぁ、確かにそれはそうですね」

前からさんざん言われている人は誰もが忙しいというのは腹落ちしていた。ただ・・・

「ただ・・・僕の英語力じゃしょうがないですよ。パッと聞かれてパッと答えられるわけないですもん」

ビシッっとまたまた激烈デコピンを喰らった。「いってぇ・・・」

「あのね、英語力は関係ないって言ってるでしょ」

「といわれても」

ビシッ「いってぇ」またまたデコピンだ。

「もう一度動画見なさい。ポイントはアンタが相手にどう見えているかよ」

「相手にどう見えているか?」

乙姫が再度動画を再生した。僕は自分がどう見えるかに注目して動画を見た。

相手から質問された後の僕はほとんど固まっていた。
目が少し上を向いたり考えているっぽい所作はあるけれど、ほとんど固まっているのだ。

「ほとんど固まっていますね」

「固まってるでしょ。相手からはどう見える?」

「うーん、正直、なんだか良くわからないですね。これでは考えているのか黙り込んでいるのかよく分からないと思います」

「そう。そこが問題。アンタとしては英語がわからないから考え込むのは仕方がないことだと思っているでしょ」

「はい。英語が下手なのでどうしても考えなければなりません」

「だから考えるのは仕方がないと」

「はい」

「でもね。相手にとったらアンタの英語力が高いとは低いとか全く関係ないの。

アンタとの会話に興味が続くかどうか、それだけよ

「興味が続くかどうか?」

「そうよ。あたりまえ。アンタの話を聞いてやる義務も義理もないわけ」

「はぁ」

「だったら、興味がなくなったら終わり。単純な話よ」

「ま…まぁ、そういわれればそうですが・・・」

「興味を繋ぎ止めるように努めなければ会話は終わる。アンタは相手から質問されると固まる。アンタは

『王様』かなにか?

「『王様』?」

「そう。相手が全部アンタに合わせてくれると思って相手の都合を考えずに振る舞う王様」

「王様、、、だなんて」

「王様よ。相手が興味を持つかどうかを心配しないなんて。相手は自分との会話に興味を持つものと思っているのだから」

「いえ・・とんでもないです。ただ僕は英語が苦手で」

「だから、英語が苦手なんて相手には関係ないの。そんなのはアンタの都合」

「じゃぁ、どうしたら・・・・?」

「英語が苦手だったら、英語が苦手なりにできることがあるわけよ。はい、これ見なさい」というと乙姫

はまたまたレッスンの動画を見せた。

「わかった?」

「はぁ」

というとまたまた乙姫の特訓が始まった。何度かデコピンをされたが少しずつ上達した。

「なかなか良くなったじゃない」という乙姫の一言とともに特訓はひとまず終わった。

「そしてね、アンタにはもう1つ欠点があるの」

「もう1つ、ですか?」

「そうよ。アンタの英語では伝わらないもう1つの大きな理由が。もう1度動画を見てみなさい。どこが悪か探してみなさい」

乙姫はそういうと再度動画を再生した。

(第6話「アンタはお地蔵さまか何かか!?」につづく)