9月も後半ごろになると、各地でオクトーバーフェストの話題が持ち上がってきますね。
最近では季節関係なくやっちゃってるくらい日本でもブームになっています。
私自身もう何度も祭りに参加しているのですが、恥ずかしながら「オクトーバーフェストってそもそも何?」
って聞かれると、「ドイツのビールを飲む祭り」としか答えられませんでしたので、今回はドイツ出身のルーカス講師に本場ドイツのオクトーバフェストの楽しみ方についてインタビューしてみました。
目次
Q. オクトーバーフェストとはどのようなお祭りですか?
オクトーバーフェストはババリアという地域の伝統的なお祭りです。
ババリアはドイツの南部にあり、ウィートビールやヴァイツェンビールのような伝統的で特別な種類のビールがあります。
毎年9月中下旬から10月の始めまでオクトーバーフェストというお祭りが開かれ膨大な量のビールが消費されます。
Q. オクトーバーフェストのお祭りで一番有名な場所はどこですか?
テレージエンヴィーゼという大きな公園でいつも開かれます。
そこはミュンヘン市内中心部にあり、会場には非常に大きなテントがいくつも張られます。何百人も収容できる大きなテントです。
それぞれのテントには別のビール醸造会社が入っています。
規模の大きさ的にはその公園のオクトーバーフェストが一番有名です。
Q. どのようにオクトーバーフェストを楽しみますか?
おすすめはできるだけ朝早く行くことです。少なくとも朝9時、10時に着くようにします。
なぜならテントの中に良い席を確保する為です。というのもテントの中に入れないとビールを提供してくれないからです。
テントの外にいる人はビールを注文することが難しいです。
ですので朝早く行ってテントの中の良い場所を確保したほうが良いです。
Q. オクトーバーフェストでの思い出は?
2年前にもドイツで親しい友人と行きました。3日間滞在して毎日別のテントでビールを楽しみました。
一番好きなビールテントはシュパーテンビールです。
もちろん味はいつもおいしいですし、そのテントの雰囲気が活気に溢れているので個人的にとても好きです。
多くの若者がテーブルの上で踊ったりしています。最高に良い思い出になりました。
Q. オクトーバーフェストに出ているビールのうちお勧めのビールは何ですか?
一人ひとりのドイツ人、特にババリア人はそれぞれの好みのビールがありますので、一概には言えません。
個人的に好きなのはアウグスビールです。とても美味しいですしテント内の雰囲気もとてもいいです。
そして注意しておいていただきたいのは、違うビールを飲もうとしたら別のテントに行かなくてはなりません。
そしてテントによって雰囲気がとても違います。あるテントではエキサイティングなパーティの雰囲気ですし、一方でもっと落ち着いた雰囲気でゆったりと過ごせるテントもあるので年配の人にお勧めです。
楽しい雰囲気を楽しむのであればシュパーテン、ゆっくりと味わうのであればアウグスビールをお勧めします。
Q. なぜオクトーバーフェストで歌うのですか? アインプロージットの歌詞の意味は?
歌う理由は、大勢の人とほろ酔いしながらテントで歌うのは最高の経験だからです。
みんなが知っている歌を一緒に歌うのはとても良いムードで素晴らしい経験です。
アインプロ―ジットはオクトーバーフェストに行くとよく歌われている曲です。
歌詞の意味は『ビアーグラスで乾杯』という意味で気楽に乾杯します。基本的にみんなで心を休める為に乾杯します。
Q. どうして女性はオクト―バーフェストでドレスを着るのですか。
女性はドゥンドゥという伝統衣装を着ます。この衣装は女性の体を引き立たせるため刺激的です。
しかし男性も同様にレーターホゼンという伝統衣装をまといます。
どうしてこの伝統衣装を着るのかというとバイエルンの伝統の強い影響があります。
]バイエルンの人々はこれらの伝統衣装をオクトーバーフェストの時にだけ着るわけではなく、クリスマスなどの祝日にも着ます。
これは日本の着物のようなものだと思います。
Q. オクトーバーフェストで便利な知っておくべきドイツ語はなんですか。
一番大事なのは“ein Bier bitte”(ビール一杯ください)でビールを注文するときに使えます。
また乾杯をドイツ語でいうと“prost”です。
もし女性に話しかけたいのなら“du bist schön”(あなたは美しい)です。
この3つを覚えていれば楽しい時間が過ごせることでしょう
1810年10月に行われた、バイエルン王国の王太子ルートヴィヒとテレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブルクハウゼンの結婚パーティーが発祥と言われています。
その結婚パーティーでは盛大なパレードとともに多くの参加者たちがビールで乾杯して2人を祝福しました。
当時の開催地であったテレーゼ緑地は、現在でもオクトーバーフェストの会場としての伝統を守り続けているそうです。
オクトーバーフェストは、英語の
「October Fest(=Festival)」
を直訳して「10月の祭り」と思ってしまいがちなのですが(実際そういう意味で開催している事も多いですが)、
実際「Oktoberfest」はひと綴りで意味を成すドイツ語です。
10月に始まったお祭りというのが名前の由来ではあるものの、野外でビールを飲んでパーティーする事を「Oktoberfest」と言う為、
どの季節に開催しようと「Oktoberfest(オクトーバーフェスト)」と呼ばれることは至って自然のようです。
私はそのオクトーバーフェストの由来を知るまでは、「ジューン・ブライド」のような季節商法かと勝手に思ってました。
ブライダル業界のマーケティング戦略で、梅雨の時期で受注が少なくなる6月の挙式を逆に「ジューン・ブライド」とブランドのように浸透させたように、ビール業界として最もビールの需要が高まる夏場で売れ残った在庫を、9月,10月で一気に売り切ってしまう作戦なのかと。
しかしその考えは全くの見当違いで、「Oktoberfest」という名前にはもっと歴史的な深い意味があったのですね。
もちろんビールです。ビールが苦手の人にも飲めそうなフルーツのビアカクテルもよく置いてあります。
基本的には売店に並んで1杯ずつ注文するグラス交換制です。
ビールを買うときには、ビール代金+1,000円をグラス代として預け、返却時にグラス代を返却してもらうシステムが主流です。
ドイツのビール製造会社ごとにそれぞれの店を出店していて、ビールの種類は数え切れないほどあります。
自分の一番好きなビールに巡りあうまでに酔いつぶれてしまいそうですが、個人的にオススメな3つの種類を紹介させて頂きます。
❏ピルスナー
ドイツで飲まれるビールの65%はピルスナーです。そして日本で売られているのビールも90%以上はピルスナーに含まれます。
飲み慣れた味なのでとても飲みやすく、透き通った黄金色や苦味とキレが特徴です。
オーストリア帝国の町ピルゼンで、バイエルン出身のマイスターが1842年に発明したそうです。
❏ヴァイツェン
ヴァイツェンとはドイツ語で小麦の意味で、ビールは通常大麦から造られますが、ヴァイツェンは原料の50%以上が小麦です。
ヨーロッパでは「貴族のビール」と呼ばれる贅沢な白ビールです。
特徴として「苦味がほとんどない」「とてもフルーティーな香り」が挙げられます。
モコモコ盛り上がる泡もヴァイツェンの特徴の1つです。
❏デュンケル
ドイツのミュンヘンを中心として作られているラガービールの1種です。
デュンケルはドイツ語で「暗い」という意味で、ローストした麦芽を使用した褐色をしています。
ピルスナーと似てシャープでさっぱりした味をしていますが、ローストした麦芽のビスケットのような甘みとコクが特徴です。
18世紀にピルスナーが登場されるまでは、ほとんどのビールはこのデュンケルだったそうです。
ドイツ語で乾杯は「ブロースト!」になります。
フェス中は最初の一杯目だけでなく、ビールをおかわりする度に「ブロースト!」と乾杯するのがルールです。
またタイミングによってはドイツバンドの演奏を楽しみながらビールを楽しむことが出来ます。
オクトーバーフェストでビールを堪能しつつドイツのお祭り文化を楽しみましょう!