「英語なんて話せない!」と苦手意識を感じている方。自ら「英語を話せない」とされているのは、英語の勉強が足りないからではないと思います。
イングリッシュブートキャンプという短期集中のプログラムを運営してきたわたしたちは確信しております。多くの方には、今からでも堂々と英会話を行うための基礎英語力は十分備わっています。もう話せるのに、自分で話せないと思い込み英会話を始めるのを躊躇しているのだと思います。それは、あたかも十二分な運動能力があるのに、いつまでも怖がって自転車の補助輪を外すことのできない子供の頃に似ているかもしれません。なかなか一歩を踏み出すきっかけが見つからないでいるのです。
英語の苦手意識を払拭し、一歩を踏み出すために必要なものは、(1)「正しいあるべき姿」のイメージと、(2)コツと、そして(3)若干の勇気です。
この12連載の記事を通して、われわれがイングリッシュブートキャンプを通して学んだ、英語の苦手意識を払しょくし「話せる!」まで到達する実践的な手法を紹介させて頂きたく思います。
2018年の新年の抱負が「今年は英語を堂々と話す」という方は、ぜひ、この12連載を、ぜひロケットスタートに活用ください!
海外の方から、よく指摘があることとして「考えているのなら、考えているというサインを出してほしい」というものがあります。
日本人の多くの人が、英語で何を言おうか考えているとき固まっています。
特に相手から意見などを聞かれたときです。
本人は真剣に考えているのでしょうが、電池が切れたロボットのごとくフリーズしているように見えるのです。
『慣れない英語だから、何をいうか考えるのに時間がかかってあたりまえ』と思っているかもしれませんが、相手は、あなたが英語で悩んでいるとは露ほども想像してくれないかもしれません。単にアイディアがないのか、話を続ける気がないのかと思われてしまうかもしれないのです。
そうなると、会話の求心力は一気になくなり、熱は冷めるでしょう。
「あ、そろそろ行かなきゃ」 と会話が切られるかもしれない危機的タイミングに陥るのです。
これを防ぐためには、まず、『これから考える』ということを明示的に発言することです。
当然、思考に少し時間を要することはあるわけで、そのときは、たとえば「Let me think.(ちょっと考えさせて)」などを発することで自分にボールがあることを認識していることを伝えましょう。これは「この後答えが出てくるからね」という、いわば、予告のような効果となり、相手に興味を持たせます。気持ちを引きつけるうえでもバッチリです。
また、もう1つは、考えている沈黙の時間を音で埋めることです。 「Let me think. (ちょっと考えさせて)」と言ったはいいけど、そこから長い沈黙の時間に入ってしまったら、これまた相手の集中力は 途切れます。これを防ぐためには、たとえば日本語で言う「えーと」のような音を発し空白の時間ができないようにつなぎ止めます。たとえば、「well」。考えているときに「well」を添えるだけでもだいぶ変わります。
根本的な解決策は、とにかく臆せずに何か言ってみるということです。
恐れず、ひるまず、考えを出してみる、ということです。
そんなに難しいことを言う必要はありません。
綺麗な、あるいは複雑な英語を用いることもありません。
まずは単純なことでいいから、何か発言してみる癖をつけていきます。
宇宙の真理をひとことで言い切る必要はないのです。まずは会話が転がり出すような「きっかけ」となる一言を出せれば御の字です。
こちらの動画も参考にしてみてください。
『Be Active!』
私たちは、まずは空気を読みたくなるところがあるかもしれません。
さて、どう答えようか、その前に周りはどう考えているのか、と悩んでしまうことがあります。ただ、ここは相手と違う ことを恐れずに自分から口火を切ってみましょう。
「違いこそ価 値がある」と考えて、あえてバンバン発言していきましょう。
グローバルビジネスの本質について考えていく際に、1つご紹介したい話があります。
たとえばトムとジェリーがお風呂掃除をしたとします。
動画の方がわかりやすい方は、こちらをご覧ください
『間違いを恐れずどんどん発言しよう』
トムは重労働を担当し、ジェリーは手の届きにくいところを丁寧に磨きました。家主から報酬として6枚切り(一斤)の食パンをもらったとします。 では、この6枚のパンをどう分けるか。当然、お互いが「自分 の方が働いた」と主張して1枚でも多くパンをもらおうとします。 トムが1枚多くもらえば、ジェリーは1枚少なくなる。トムが2枚ならジェリーは4枚。トムが3枚に増えればジェリーは3枚。 もし、トムもジェリーも1枚のパンから「10」の満足度を得ているのであるとすれば、2人の合計満足度は「60」になります。
問題は、これを60以上にできないか、ということです。もし、 ここでトムが食パンのミミが好きだったと判明するとします。一方でジェリーは、真ん中の白い部分が好き。トムは1枚の食パンの満足度10のうち8をミミから、2を真ん中の部分から得ていて、ジェリーは逆で、8を白い部分から、2をミミから得ているとします。
では、トムがミミを全部もらい、ジェリーが白い部分をもらったら、お互い48の満足度を得ることができ、合計96の満足度となるのです!60を超えましたね! この例のキモは、お互いの好みが「違う」ということになります。
これは比較優位という国際貿易の基本的な理論にも通じます。
お互い得意なことや好みが違うから、価値が生み出せるのです。
実際は、2人ともミミが好きでも、「ミミを好きな度合い」が違えば比較優位は成り立ちます。たとえば、トムは白いところと耳が1:9くらいミミが好き。ジェリーもミミは好きだけど、 割合は4:6くらい。トムが全部ミミをもらい(9×6=54) ジェリーが白いところをもらう(4×6=24)ことで、合計78 (54+24)という60以上の満足度が稼ぎ出せます)。
「違い」がある人たちと手をとり合い、何か新しいものをつくるために私たちは海を渡るのです。そうです。違うから価値を生み出せるのです。
そうです!「違う」ことが価値の源泉なのです!
恐れずに自分の考えを全面的に出していきましょう!