トビタテ!留学JAPANという留学支援プロジェクトが熱いです。
先日も、文部科学省のイメージからはほど遠いラップを使ったPRビデオが話題になりましたね。
個人的に面白いなと思ったのは留学というと海外に眼が向きがですが、題材は日本の工場が舞台の『オヤジと息子のガチトーク』というところでした。
もう20年以上も前ですが、僕も日本の高校を卒業してからアメリカの大学に留学しました。
自身の経験だけから語らせて頂ければ、『留学』というと『海外』『語学』『異文化対応』等、当然ながら外に眼が行きがちですが、やはり大きなものとして、『留学とは家族との壮大なドラマの始まり』という要素があるのではないかと思います。
当然、日本国内の大学に進学する際でも、同様に家族とのさまざまなドラマはあるかと思います。
しかし、海外留学が生み出すドラマは、少し違ったスパイスがある気がします。
何故なら、そこには親子の関係に関する大きなパラダイムシフトがあるのではないかと思います。
多くの親御さんにとって、留学とは『親の想像が及ばない世界に子供が行く』という要素があるでしょう。
そこでは、情報量の多寡が逆転します。
トビタテ!のビデオの中で、世の吸いも甘いも心得ているはずの『偉大なるオヤジ』が、
「ニューヨーク、どんなとこなんだ♪」という一言が印象的ですが、オヤジの想像も及ばない世界に息子が乗り込んでいくのです。
これまでは親の方が圧倒的に情報量が多かった。
日本という社会、そこで生きていく術、学生時代からそして就職へのシフト・・・親の方が圧倒的に情報量がある世界で子供を庇護してきた。
ところが、子供が留学という道を進み始めた瞬間にその構図が大きく変わるわけです。親より子供の方が色々知っている世界。
当然、生きていれば、いつかはその構造の逆転の日は来るでしょう。
でもそれは緩やかな転換で、更にもっともっと先のことかもしれません。
ただ、留学というものを始めることで、その逆転が急速に、直ぐに起こるのです。
また、子供側にも大きな変化が起きます。
子供にとっての留学の一面は『親が頼りになりそうもない世界に行く』ということかもしれません。
これは留学してから感じることだと思いますが、もう『いざとなったら親が助けてくれる』というような打算はもてません。
飛行機でも下手したら10時間以上離れた場所に住んでいる親。しかも、英語(あるいは他の外国語)圏。しかも慣れない文化や慣習。親の知人もゼロ・・・もう子供は『自分でなんとかするしかない』モードに一気に入ります。
当然、精神面では頼りにしたいし、金銭面等での支援も必要でしょう。ただ、慣れない外国語が高速に飛び交い、日本の常識や価値観から大きく離れた社会を目の当たりにしたときに、『親』というものの存在が、これまでと大きく変わるのではいでしょうか。
そうです。留学という旅は、多くの親子の関係に急激なパラダイムシフトを起こすのではないでしょうか。
急激に自分のアンテナが利かない世界に子供が飛び立っていった親と、急速に一人立ちしていかざるを得ない子供。
急激におきるパラダイムシフトがお互いの関係を新しいものにするのかもしれません。
そして、これに、物理的な距離、というものが大きく乗っかってきます。
未知の世界に飛び立った子供が心配でどうしようもない親。
ホームシックにかかり家族への想いが強まる子供。
でも、そう簡単に会えない。
急速な変化に対応し成長していく親子。そして、その凝縮された想いや熱がぶつかりあり、共鳴しあい、沢山のドラマを生んでいくのではいでしょうか。
留学をしたことで、家族の大切さに気づき、より家族との関係が強まったという友人が沢山います。
皆、それぞれ壮大な家族とのドラマが起こったのでしょう。
留学、というものを親と子のドラマとして捕らえたトビタテ!のビデオ、本質をついているのではないか、と自分は感じました。
そして、留学というものが、やはり家族無しでは語れない、ということを改めて思い出したのでした。
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