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I ♥ NY のデザインが普及した理由 | 誰でも一度は見た事のあるあのTシャツ

スタッフのRYUです。

I ♥ NYと書かれているTシャツを着ている人を見たことありませんでしょうか?
時にはミュージシャンが着ていたり、時にはスーパーでお買い物中のお母さんが着ていたり。
これだけ幅広い人が来ているI ♥ NYのTシャツですが、このデザインは一体どのように生まれたのでしょうか?

■『I ♥ NY』は1977年のニューヨーク州観光キャンペーンが発祥

1970年代のニューヨークは犯罪やドラッグ、暴動等が街を支配し、治安の悪化がピークに達していました。
そのため観光客は激減、そこで何とかイメージを回復させるためにニューヨーク州の観光キャンペーンを行うことにしました。
そしてこのキャンペーンロゴを担当したデザイナーがニューヨーク出身グラフィックデザイナー、ミルトン・グレイザ- (Milton Glaser)氏でした。

-ミルトン・グレイザ-

1929年ニューヨークに生まれる。1951年クーパー・ユニオン・アート・スクールを卒業後、フルブライト奨学金でイタリアのボローニャのアカデミー・オブ・ファイン・アーツで学ぶ。1954年レイノルド・ラフィンズ、シーモア・クワスト、エドワード・ソレルと共にニューヨークでプッシュピンスタジオを設立、社長に就任。1968年クレイ・フェルカーと共に「ニューヨークマガジン」を創刊。1983年ウォルター・バーナードと共に出版デザイン会社WBMGを設立。1976年ニューヨーク州の依頼で制作した。「I♥NY」のロゴをはじめグラフィクデザインを中心にCI、インテリアデザイン、環境デザイン、建築、出版、音楽、演劇、映画などさまざまな分野を手掛け、300点を超えるポスターのデザインやイラストを制作している。
-出典 http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/artist/milton/index.html

■『I ♥ NY』はタクシーの中で生まれた

ミルトン・グレイザ-氏は万人に好かれるロゴを必死に考えていました。
当初は別のデザインでほぼ決まっていたそうなのですが、ある日彼がタクシーに乗っていた時に閃いたデザインが今の『I ♥ NY』というデザインだそうです。
LOVEを♥という記号に置き換えることで視覚的に愛を強調出来ることに気付いたのです。

■今では様々なパロディ製品を生んでいる『I ♥ NY』

このデザインは『LOVE』を『♥』に置き換えただけのシンプルな発想とも言えます。
しかしこの発想こそが国を越えて愛される一つの理由であり、革新的なアイデアとも言えます。
ミルトン・グレイザー氏は「ほとんどのデザインは、(消費者に)愛着を湧かせるためのものという理論を持っているよ」と語っています。

『LOVE』という意味をこの言葉を使わずに、海外の人に伝えてくださいと言われると実は意外と難しいものです。
愛という意味は深いもので、簡単に説明しようとしても意外と何の言葉で伝えれば良いか分からなくなるからです。
しかし彼はその難しい問題を『♥』という一つの形で表すことで、いとも簡単に世界中の人に伝えることに成功しました。

これはデザインの話に留まらず、グローバル・コミュニケーションの壁を超えるための一つの有効なアイデアとも言えると思います。
もし海外の方とのコミュニケーションで『あれ、これなんて伝えればいいのか難しいな』という局面に立った時には、なんとか形(例えば♥ならば手でも形を作れます)で伝えられないかという発想を持つことも重要なのではないでしょうか。
『I ♥ NY』のロゴはそういった「グローバル・コミュニケーションの壁を超える技術」が含まれたデザインなんだと思います。

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