昔は高校で英語赤点6回の、奇跡の元英語難民。今は短期集中英会話合宿イングリッシュブートキャンプ主宰、ジェネラルこと児玉です。
さて突然ですが、皆様は「How are you?」に対して、どう答えておりますか?
多くの英語学習者の方が、「How are you?」と聞くと「I’m fine!」と返してくれます。
清々しいほど何の迷いもなく「I’m fine!」と言い切られ、そして相手の次の言葉を待ちます。
当然、「How are you?」「I’m fine!」の流れは中学の頃から九九を覚えるように刷り込まれた英会話の定石、英語的には正しいのでしょうが、この「I’m fine!」とか「Fine!」と言って相手の次の言葉を待つ対応は実戦ではお勧めできません。
そもそも、なぜ相手は医者でもないのに貴方に「How are you?(どんな具合ですか?)」と聞いてくるのでしょうか。
答えはシンプルです。
相手は単に雑談を始めたいにすぎません。
だいたい「How are you?」は出会いがしらに繰り出されるセリフです。
もし、すぐにでも話したいトピックがあれば「How are you?」とは言わずにそのトピックから話はじめるでしょう。
例えば貴方が大きなギターケースっぽいものを抱えていれば「Oh, Is that a guitar?(それ、ギター?)」から話を始めたり、貴方が昨夜ピアノリサイタルで一発かましてきたと知っていたら「How was your performance last night? (昨日の演奏はどうでした?)」などと聴いてくるでしょう。「How are you?(具合はどうですか?)」なんてまどろっこしい事から始めはしないのです。
そうです。
会ったばかりでいきなり切り込む話題がない。
でも、会話を始めたい。
だから、仕方なく「How are you?(具合はどうですか?)」という幅広く話題を膨らませられるオールラウンドな言葉を投げているに過ぎません。
そこへ、単に「I’m fine!」とだけ言いそのまま相手が何か言うのを待っているのは、せっかく相手が投げてきた会話のボールを地面に叩きつけるようなものです。
しかも、このfineという言葉は、当然「良い」という意味ですが、この文脈だと「問題ない」的なニュアンスに聞こえます。折角会話を盛り上げようとして「最近どうですか?」と聞いてきた相手に「問題ないです」と返してそのままジーッと相手の出方を待っているのは・・・あまり丁寧ではないですよね。これでは会話が終焉しそうです。
相手は雑談を始めたいのです。
この出会いがしらの雑談はアイスブレークというもので、氷を壊す、つまり冷たい場を温める非常に大切な行為です。アメリカの企業の会議室なんかに通されると、特に朝などはコーヒーやクッキーやドーナツ、ちょっとしたデニッシュ等も置いてあります。コーヒーのいい香りと甘いものが最初の雑談(=アイスブレーク)には持って来いなんですね。そんな配慮がしてあるくらい、最初の雑談は貴重なものと考えて宜しいかと思います。
いきなりビジネスの話、いきなり本題じゃ味気ないですし、それでは場も温まっていないのでうまくいくものもいきませんね。
だから「How are you?」というアイスブレークの合図が来たら、「I am fine!」だけで話を終えずに、その種火を大切に大きくして雑談を膨らませてあげたいものです。
How are you?への対応の仕方を2分程度のレッスン動画に簡単にまとめましたので宜しければご覧ください。
また、これをストーリーでご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
以上です。また来週お会いできることを楽しみにしております!