「英語なんて話せない!」と苦手意識を感じている方。イングリッシュブートキャンプという短期集中のプログラムを運営してきた私達が学んできた、英語の苦手意識を払拭し「話せる!」まで到達する実践的な手法を12連載で紹介させて頂きたく思います。
「日本語」モードから、「英語」モードへ、カチッとスイッチを入れかえればグローバルコミュニケーションがうまくいくわけではありません。
本日で12連載も最後となりました。
お付き合いいただき、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。
ぜひ、皆様の英会話学習が実り多きものになるよう、お祈りしております。
さて、今日は、英会話にとって、一番大切だと思っていることをお話しさせてください。
それは、ずばりですがパッションです。
われわれがやっている短期集中の英会話プログラムでも、この点も大きく押しております。
大学時代アメリカに渡ったばかりの頃に見た、 『My Cousin Vinny』という映画で忘れられないシーンがあります。(面白い映画ですので、宜しければぜひ!)
主人公で ある新米弁護士が、クライアントから「クビ」を宣告される場面です。
新米弁護士は、そこから滔々と演説を始めます。自分がいかにこの仕事に向いているか、どれだけ優れているかを熱弁するのです。そして「チャンスをくれ」と言うのですが、
これが 「You should give it to me!(あなたは私にチャンスをくれるべきだ)」と「should」という強い言い回しで言い切るのです。
この映画を初めて見たときには驚きました。なんせ、新米弁護士です。
成果も丸っきり出していなければ、うまくいきそうな様 子すらない。
そんなクビを言い渡されても当然の中、「いやいや俺 はこんなにすごいんだ!」と反論を始めるわけです。そして、驚くことにクライアントは、チャンスをあげてしまうのです。
このアメリカという国では、このように「俺は俺は」と言って 前に出ていかないと生きていけないのか。自分がそれまで日本の社会で吸収してきた「謙虚さ」や「慎ましさ」といったものは通用しないのか、とずいぶん途方にくれたのを覚えています。
でも次第にわかりました。アメリカでも「humble(謙虚)」で あることは、とても重要とされていること。ただし、謙虚とは、言いたいことを我慢する姿勢ではなく、コップを空にして、批判 も含めてなんでも吸収しようとする姿勢であるということ。そし て、「言いたいことを言わない」のは「謙虚」ではなく、ただ 「逃げている」「真剣ではない」ということを。
だから「その仕事をやりたい」のであれば、やりたいんだと吼えるのです。「どうしようもないじゃないか。あなたと仕事をやりたいんだから。合理的に考えてもウチの会社の提案が一番だとは思うけれど、それよりも何よりも、私はあなたとビジネスがやりたいんだ」と全面的にパッションで押し込んでいくのがグローバル・ビジネスのコツではないかと思っております。
新しいことをやろうとするとき、つまり不確定なことを始めるとき、人は不安に思います。
そんな状況では、最後はあなたを信じるしかありません。
あなたの何を信じるか。合理的な説明も当然大切です。
しかし、理屈だけでは不確定な未来は説明しきれません。
そんなとき大切なのは、あなたの熱意です。
パッションです。
やりたいんだという気持ちです。
英会話で、最後に押し込まなければならないものがパッションなのです。
相手を動かすものはパッションなのです。
私たちにとって英語は非母国語で不便も多く、ネイティブスピーカーのように綺麗に話さないかもしれません。
そのぶん、身振り手振り、全身全霊を総動員して相手に訴えていきます。
ありとあらゆるものを使って自分たちの想い、相手に対する興味、何か一緒につくり出して いきたい気持ちを伝えます。これでもか、というくらいにです。
その姿勢こそがパッションそのものになるのです。
澄ました顔した冷めた人間じゃない。英語は少し苦手かもしれないけれど、熱い熱いマグマを抱えた人間であり、それを体全体に乗せて届けるのです。
そうです。この12連載でご紹介したアイコンタクトからはじまる『伝えやすくするため』のコツの数々を、きちんと、大振りに、そして自信をもって行っていくことで、あなたのパッションが目に見えるものとなって相手を動かしていくのです。
英語はツールにしかすぎません。
その先のゴールは人によって違うかと思いますが、英語がコミュニケーションのツールである以上、必ず、他の方を巻き込むものだと思います。
であれば、そこに『パッション』を押し込むことで、他の方と一緒にどこかに到達できるのではないでしょうか。
そう考えると、英会話ってわくわくしますね。
もう『苦手意識』とはおさらばして、ぜひ英会話をエンジョイしてください!
イングリッシュブートキャンプ主宰
児玉教仁
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